

今回KIKORIを設計するにあたって、一番気を使った部分が「昼の顔と夜の顔が変化する事」でした。深夜営業するいわゆる「夜カフェ」の場合、昼間の陽光を浴びたときの風景と深夜のライティング中心の灯りでは自ずと様子が変わってきます。その中でただ単純に変化するのでは面白くない。そこで考えたのが照明を当てる壁面や発光するメッセージボーダーに色を持たせ、その反射照度で見え方が変わる事でした。


今回使用した色は4色。これに什器やイームズ、ラグ、ソファーなどのテクスチャーカラーが加わる事で「時間による光のうつろい」が楽しめる空間を目指した訳ですが、ベースとなる躯体色はオフホワイトなので、発光体の赤や前室の黄緑などが壁面や天井スケルトン面に写り込む訳です。昼間はどちらかというと、テクスチャーカラーに目がいきますが、夜になると一変しボーダーや躯体色に目がいきます。この変化を狙う為にカラースキームを厳密に決めていった訳です。最近だとLEDで輝度感を出して目を引かせる方法が当たり前になってきていますが、普通のハロゲンやキセノンやネオンを使っても面白い空間を創る事が出来ます。

CAFEエリアとBARエリアは明確に分かれています。これはクライアントの意向に沿った形で、BARの経営者がプロデュースするCAFEという立ち位置と原点がBARにあることを暗示させるための仕掛けにもなっています。面白いのは、外部からカウンターに直接アクセスできるようにPヒンジドアで開放出来るようになっている事です。春や秋のような過ごしやすい季節では開放して「お店の臨場感が外に伝わる事」も狙っています。

オリジナル什器も幾つか制作しましたが、このシェルフは表の突き出しサインと連動した、入り子デザインとしています。悠乃嬢渾身の力作(笑)。ディティール部分で僕も手伝いましたが、このデザインを気に入ってくれたクライアントの北村さんの鶴の一声でOKになった家具です。主にブックシェルフとして活用。この隙間が難しいのです(笑)。