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2009年02月11日

アイカ工業「素材と照明」

アイカ工業ウェブサイト「素材と照明」:平澤太デザイン計画機構

建材メーカーであるアイカ工業のウェブサイト「素材と照明」ページの事例として、弊所設計の「久米繊維工業プレスルーム」の事例が掲載されました。このウェブサイトは、アイカ工業の建材を実際に使用した空間や建築物の実例を挙げ、建材も含めた空間演出の中でどのような照明計画をほどこし、魅力的に見せているかを紹介する事例集です。

ぜひご覧ください。


アイカ工業のウェブサイト「素材と照明」
アイカ工業ウェブサイト



2009年02月03日

整数比と白銀比

久米繊維本社プレスルーム

和のモジュールというと尺、寸に代表される尺貫法が代表的ですが、
比率的には整数比と白銀比が和の代表的な比率になります。
整数比は、建築学的に古今東西広く使われていて、ルネサンス建築
(15世紀のイタリア)では、レオン・バッティスタ・アルベルティによって
2:3、3:4、1:2、1:3、1:4、8:9という整数は
「建築形態の美や調和が生み出される数比」として
定義していますし、日本では畳、障子、襖などが
1:2 (3尺×6尺)の整数でモジュール化されています。
ちなみに畳は書院造りでほぼ完成したと言われているのですが、
書院造りは室町時代ですから、ルネサンスの時期と合致するんですね。
この辺も面白いです。


もう一つの白銀比(silver ratio)は、「大和比」ともいうのですが、
これは日本が白銀比を世界で最も早く活用した事
(発見したかどうかは定かではないのですが)が由来と言われています。
日本建築ではかなり昔から使われてきたモジュールで近似値は
「1:1.4141=1:√2 」で正方形の半分の三角形である
直角二等辺三角形の辺の比と同じ。
正方形の一辺と対角線の比率ともいえます。


法隆寺の五重塔の平面における短辺と長辺の比率や
四天王寺敷地の平面における短辺と長辺の比率など、
室町時代以前から使われてきたモジュールで、大工道具の一つである
「さしがね」は今でも裏面に白銀比が目盛りとして残っています。
ちなみに用紙のA版B版も全て白銀比。
風呂敷や畳(正方形の半分の長方形)は正方形を基本にしていますが、
これも白銀比の応用といえます。


白銀比は、連分数展開がきれいで、
例えば江戸時代に公用紙として使われた美濃紙がベースになっている
B版の用紙を半分に折ると1/2の同形状の用紙ができます。
畳や建材で多くの白銀比が使われているのは「汎用性の比率」
だからであり、資源の貧しい日本では、その素材を合理的に
使いこなす事ができる(無駄を省ける)比率だったからです。


ちなみに生け花で有名な池坊の比率(花の高さの比)が7:5:3にも、
俳句の5:7:5にも必ず、5:7という白銀比の比率が見え隠れしますね。
それは白銀比の持つ並びや形状の美しさが、日本人の美意識に
適うものだからだと思うのです。


久米繊維工業プレスルームでもデザインする上で
整数比と白銀比を結構使っています。
冒頭の画像はエントランスの部分ですが、ガラスのファサードを含む内側が
プレスルームのリノベーションで改装した部分で、外側のパネルは
元々ビルの完成当初からの姿になります。


設計に取りかかる前に実測する訳ですが、この時ファサードの躯体の比率が
1:2の整数比になっていた事に気がついたんですね(白数字)。
これは当然、僕が設計した訳ではなく、このビルを設計された建築家が
意図的に設計したものだと察して、この整数比のファサード形状は生かして、
テンパーライトのガラスドアを設置する位置関係でスマートに
和を感じる入り口が創れないものかと試行錯誤したんですね。
そこで白銀比を応用してガラスドアの納まる位置関係(黒数字)を
決めた訳です。


久米さんとのブリーフティングでは「海外から観た和=ZENスタイル」
「日本でこそ創りえるもの=JAPAN MADE」というお題があり、
それを空間として表現しないといけない訳です。そこでテクスチャーに
頼った和ではなく和のモジュール(尺寸)を駆使した空間を創りましょうと
なったのですが、同時に無意識に対比して見る部分については
日本の比率(白銀比)を応用しようと思った訳ですね。
プレスルームのインテリアでの白銀比は探してみてのお楽しみとして(笑)
残しますが、日本のモジュールは凛としていて、やっぱりいいですね。。

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